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―――――気がついたらここにいた

足元には闇のような岩、回りには高くそびえ立つ火山、空は血のように赤く染まっている。



( ^ω^)「………ここは……?」

( ^ω^)「……僕は一体何故ここに…………。」

( ^ω^)「とりあえず………この荒野みたいな所から抜け出さなくちゃ……。
……と言っても回りには岩と火山しか見あたらないお………」



とりあえずブーンは北西に歩く事にした。

しかし一時間歩いても何も見えてこない。
その内にブーンは徐々に焦りを感じていた。
―――――――まさかこの世界に自分一人しか人がいないのか――――と




( ^ω^)「………いけどもいけども同じ風景だお………。……終わりはあるのかお……?」

( ^ω^)「………発狂しそうだお………。畜生………」

( ^ω^)「でも………僕はあきらめないお……」

そうして更に5時間程歩いた所にその洋館はポツンと立っていた

( ^ω^)「館が……館があるお……!!これで誰かに会えるお!!」

( ^ω^)「……呼び鈴がないお……。まぁ入ってから挨拶すればいいお」




( ・∀・)「じゃあ………コレとコレを二万体頼む」

『じゃあ私は三万体くらい頼もうか……』

「は……。かしこまりました……」

( ・∀・)「明後日までには届けてくれ。」

「承知しております」

( ・∀・)「ウン。それでは………」


ガチャ


( ^ω^)「こんにちは!!誰かいますかおーー!?」

『!?』
『……!』
( ・∀・)「……人間?」

( ^ω^)「……え?」


館の中にはおびただしい数の人間がいた。恐らく数百人はいるだろうが……

( ^ω^)「………何でみんな驚いてるんだお……」


『何故……人間が……』
『………人間』

( ・∀・)「………」

( ^ω^)「あ………あの……僕は怪しい者じゃないですお‥‥。その………」


コツコツ………


( ^ω^)「あ………」

( ・∀・)「よぉ………坊主………。どうした……?」

( ^ω^)「い………いや……」

( ^ω^)「道に………迷って………」

( ・∀・)「道……?」

( ^ω^)「そうだお……。」

( ・∀・)「‥‥おかしいな。こんな所に道なんかない筈だが……?」

( ^ω^)「………でも……気がついたらここにいて………。」

( ・∀・)「ほう……。なるほど………」

( ^ω^)「……?」

( ・∀・)「諸君!驚かせてすまない!コイツは私の孫だ!!」

( ^ω^)「え!?」

( ・∀・)「コイツはな、人間に化けるのがうまいんだ!私のでさえ見間違えるんだよ!」


『何だ………人間じゃないのか……』
『まったく……びっくりさせおる……』


( ^ω^)「え……え…?」

( ・∀・)「いいから黙れ………」

( ^ω^)「は………はいだお……」

『いや〜…それにしても人間そっくりですなぁ………』
『本当じゃ……匂いまで真似るとは……』
『これからよろしく頼むぜ……』

( ^ω^)「え?……はぁ」

『お前の爺さんによろしくな…。ウヒヒヒヒ!!』
『あ!貴様!抜け駆けは許さんぞ!』
『坊ちゃん!私とも握手を!』
『いやいや!私と握手しましょう!』

( ^ω^)「…アッーー!押さないで!押さないでくれお!!!」

( ・∀・)「おっと!忘れてた!私はこれから城に用事があるんだ!すまないがこれで失礼するよ。ほら!いくぞ!」

( ^ω^)「え……?あ………はい」

『まだ私の自己紹介が!!』
『坊ちゃん!私を是非ともお爺様に!』

( ^ω^)「……?」

( ・∀・)「ほら‥‥さっさと外に出るぞ………」

( ^ω^)「はぁ……」




( ・∀・)「ち………浅ましい奴等だ………。俺の孫とわかったら媚びやがって……」

( ^ω^)「……何故あんな嘘を……?」

( ^ω^)「……歩いていくのかお?」

( ・∀・)「……冗談!歩いて向かったら100年はかかるね!ヒャハハハハ!」

( ^ω^)「それじゃあどうやって行くお?飛行機でもあるのかお……?」

( ・∀・)「飛行機?何だそりゃ?」

( ^ω^)「…飛行機を知らないのかお?」

( ・∀・)「まぁ人間の世界に興味はないからな。」

( ^ω^)「……?」

( ・∀・)「……とりあえず話は帰ってからだ。………え〜っと……確かここら辺に……。お!いたいた!」

( ^ω^)「!!!!こ…………これは!?」

( ・∀・)「紹介しよう。私のカワイイペットのバゼルだ。」

( ^ω^)「ペットって……。でかい怪物ハエだお!!」

( ・∀・)「怪物とはひどいな………こんなにカワイイのに……。なぁ〜!」


怪物ハエ「オオオオオ!!!!!」


( ^ω^)「おえ…………」

( ・∀・)「さぁ!乗れよ!」

( ^ω^)「はぁ!?」

( ・∀・)「?何驚いてるんだ……?コイツに乗らないと俺の城まで行けないぞ」

( ^ω^)「こんな気持ち悪いもんに何が嬉しくて乗らなきゃならきゃいけないお!」

( ・∀・)「気持ち悪い………ねぇ……?」

( ・∀・)「まぁいいから遠慮するな。バゼルに乗れるなんてこんな栄誉な事はないぞ」

( ^ω^)「ひぃぃぃ!!!食われるお!!!アッーー!!!」


( ^ω^)「………」

( ・∀・)「どうだ。乗り心地はいいだろう。ふわふわしてて」

( ^ω^)「………。まぁ乗り心地は……」

( ・∀・)「ハハハハ!そうだろ!」

( ^ω^)「……あの崖の上に立ってる城は……?」

( ・∀・)「あれはな………。見栄っ張り悪魔の城だ」

( ^ω^)「????」

( ^ω^)「………じゃあ海が赤いのは何でだお?」

( ・∀・)「へ?ありゃ溶岩だぜ?」

( ^ω^)「溶岩!?でも魚が泳いでる……」

( ・∀・)「そりゃあ泳いでるだろ」

( ^ω^)「……」

( ・∀・)「もしかしてあの魚食いたいのか?」

( ^ω^)「!?」

( ・∀・)「よーし、捕まえてやるよ。」

( ^ω^)「いや!いいです!」

( ・∀・)「遠慮すんな!‥‥‥ッハ!!」

ブゥゥゥゥン……!!

( ^ω^)「げ………手からハエの大群が………」

( ・∀・)「よし!捕まえてこい!」

ブゥゥゥゥン!!

魚「ウゴォォォォ!!」

( ^ω^)「さ……魚が叫び声を……」

ブゥゥゥゥン!!!

( ・∀・)「よし!よくやった」

( ^ω^)「……何でその魚腐ってるお…?」

( ・∀・)「あぁ……。このハエに触れた生き物は腐って死ぬんだ。腐ってる方がうまいぞ!ほれ!」

( ^ω^)「い………いらないお!!」

ペチ!

( ・∀・)「あ!魚が…」

( ^ω^)「……アンタ蝿が好きなのかお……?」

( ・∀・)「ああ。何たってハエだしな……」

( ^ω^)「……?」

( ・∀・)「さぁ、そろそろ家に着くぞ」

( ^ω^)「………まさか家もハエで出来てるんじゃ……」

( ・∀・)「…………」




ブゥゥゥゥン……

( ^ω^)「まさか……このでっかい城が………」

( ・∀・)「?どうした?」

( ^ω^)「この馬鹿みたいにでっかい城がアンタの家かお……?」

( ・∀・)「まぁ……そうなるな」

( ^ω^)「……アンタ金持ちだお……。城の頂上が見えないお……」

( ・∀・)「金持ちねぇ‥……」
( ・∀・)「ま、とりあえず入ってくれ。」

( ^ω^)「………お邪魔します。」

――――――――――


『お帰りなさいませ。閣下』

『閣下!早かったですな!』

( ・∀・)「……」

『食事の用意が出来ておりますがどうなさいますか?』

( ^ω^)「げぇぇ……、これみんな使用人かお……?どう見ても100人以上いるお……」

( ・∀・)「……ここにいるのは一部だけどな……」

( ^ω^)「……」


『失礼ですが………。そちらのお方は……?』
( ^ω^)「………」

( ・∀・)「……こいつは私の孫なんだ。200年ぶりに会ったんだよ。どうだ?人間に化けるのがうまいだろう……?」

『おぉ……!!お孫様でございましたか……。』

( ・∀・)「………コイツに部屋を案内してくれ。私は少し休む……」

『はは!おい!プロセルミナ!』

メイド『は……』

『このお方を部屋に案内して差し上げろ。私は閣下の世話をする』

メイド『はい……。どうぞこちらへ……』

( ^ω^)「はぁ………」

メイド『……………』

( ^ω^)「……………」

メイド「………」

( ^ω^)「………」

( ^ω^)「(気まずいお………。何か話題を……)」

( ^ω^)「あの……」

メイド『……何ですか……?』

( ^ω^)「プロセルミナって……君の名前かお……?」

メイド『……?』

( ^ω^)「い……いや……その……」

メイド『………プロセルミナとは私の種族の名前です………』

( ^ω^)「あ……そうだね!うん………あははは……」

メイド「………」

( ^ω^)「…………」

メイド「ここです……」

( ^ω^)「あ‥‥‥うん……」

メイド「では失礼致します……」

( ^ω^)「……はぁ……。今日は疲れたお………。もう寝るお……」

ボブ……

( ^ω^)「あ〜……ふかふかのベットだお………………気持ちいい……お……」

( ^ω^)「………………」

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